学校長あいさつ

       

 私は平成15年度より学校長に選任されました。菅原動物病院院長とは親戚関係にあり、このVTカレッジ創設当初から相談役となり授業にも顔を出していました。

 私は長い間、研究畑を歩み、東北大学農学部、医学部に籍を置き教鞭をとりながら、平成元年に石巻専修大学に移り、平成15年3月に理工学研究科長を最後に退職致しました。生真面目に、一つのテーマを一筋に追う性格は、初代VTカレッジの学校長でもある院長と全く同質。二人で力を合わせ、どこにもない日本一の動物看護士養成校を創ろうと、目下頑張っているところです。

 さて、時、今は政治、経済、世界情勢に至るまで、先の見えない世の中。インターネット社会も世界を一巡して、情報化だけは確実に大躍進しました。そしてその後に、この漠とした虚無感が蔓延しています。かつて、こんな世の中だからこそ、夢を持ち創りたい学校があると言われ、なぜCAPP活動を柱とする学校なのかと私が問うた時、院長から「人間の尊厳を守りたいから」という明解な答えと、どこよりも「実のある、本物の学校を創りたい」と、言われたことを思い出しています。そして、その学校は、着実な歩みを見せ、(社)日本動物病院福祉協会が指定する認定校となり、人と動物双方のQOLの向上を目指して、CAPP活動を実践する学校になりました。この動物ふれあい活動は、老人施設を中心に、22ヶ所。年間61回の訪問実績は、その充実した活動内容共々、日本一と評価されています。

 そして、私が学校長を引き受けた理由は、他にもあります。学校は動物病院と共に管理運営し、病院と学校が隣設しているので、病院内での実習が、豊富に実体験できる強味があるからです。従来の学校が、看護士学科、トリマー学科、福祉学科等に分離されている現状にあって、この学校はそれを一つに網羅。専門学校は卒業したけれど、何を学んだのかよく分からないといった生徒は一人もいません。また病院内で患畜やクライアントと接することも実習に含まれているので、動物や人に対しての思いやり等の、人としての社会性は確実に磨かれ、一人一人の技量に裏うちされた細やかな応対は定評があるからです。看護士学、美容師(トリマー)学、福祉学、それに豊富な実習。どれも手を抜かない、しかも一学年20名という、これ程欲張りで確かな動物看護士養成校はどこにもないと自負しています。

 是非、ご来校下さいますよう切望いたします。

平成23年4月

菅原動物病院附属VTカレッジ

学校長  菅原 義雄